日本では皆保険制度があり、医科においては保険治療が標準治療(科学的根拠(エビデンス)に基づき、多くの臨床試験で有効性と安全性が確認された最良の治療)のことがほとんどです。

アップルの創業者のスティーブジョブスは、標準治療を受ければ助かる確率が高い段階で癌を発見できたのにも関わらずヨガだの食生活の改善で治るだのという根拠に乏しい治療を行い、標準治療開始が遅れ手遅れになり亡くなりました。唸るほどお金はあったとしても時間は買えずやり直しもできません。本人はとても後悔していたようです。

昨今、そういった根拠のない治療法を行う!と標準治療を拒否される患者さんが増えているようです。
書籍などを読んで決意されるようですが、個人的なというか医学における考え方になりますが、命が大事なら標準治療を受けてください。それが、1番助かる確率が高いです。それを標準治療と呼んでいます。
一方で、それが寿命だから受け入れるという信念をお持ちなのであれば、そういう生き方も理解はできます。ただし、他の人を巻き込まないでねと思います。助かりたい人を洗脳しないでくださいねと。
ですので、根拠に乏しい治療法(もはや宗教)をしたり顔で広めようとする人達には激おこぷんぷんしております。

歯科における標準治療



一方で、歯科における保険治療は標準治療ではないことがままあります。


保険はその場を凌げれば再治療になってもしょうがない治療(赤点でなければ良い治療)

標準治療は再発やその後に起こる可能性のあるマイナス面をできるだけ小さくする治療(100点を目指す治療)

と思っているとわかりやすいかもです。もちろん、保険でも標準治療に近づける努力をなさっている歯科医師は大勢いらっしゃいますが、やればやるほど赤字になると言うジレンマがある為限定的です。

ここで、自由診療と書かず標準治療と書いたのは標準治療でないことを自由診療で行うこともできるからです。歯科は特にその傾向が強いので自由診療=標準治療と思わないでください。

標準治療と比較して、保険では応急処置レベルのものが散見されます。
これは、戦後にとりあえずで決められた治療法がそのまま継続されていることが主な原因なんじゃないかなと考えています。エビデンスが積み重ねられたより良い治療が、保険に取り入れられるよう働きかけても命にかかわらない歯科に出すお金はないと滅多に保険に取り入れられなかった歴史があるようです。取り入れられたとしても採算が取れない報酬になっています。

医科の先生はびっくりするかもしれませんが標準治療が保険制度に組み込まれていないことがあるのが歯科です。至る所で妥協された治療が保険治療と考えてもいいかもしれません。保険で使われている合金も、使用において懸念が残るという合金を戦後に(当時は)安価という理由で一時的に採用したはずだったのにそのままだったり、、、。
歯内療法なんて最たる例ですね。とりあえず痛み取れたらいいわって治療がそのままです。

今、医科では正当な報酬が出ずにブラックな労働環境(当直や実質連続勤務)を強いられる、、、言い換えれば健康的で文化的な最低限度の生活を保証されないしんどい科の保険医をせずに健康的で文化的な生活をおくれる直美や医師の負担が少ない診療科に人が流れ、命に関わる科に人が集まらないことが問題になっています。小児科や産科などは、いなくなると困るのに赤字筆頭の診療科です。勉強し技術を磨いても、報酬は少なくよほどの使命感を持った人しか残らない構造が出来上がっています。
特定の科の医師には、基本的人権の中の生存権が適用されていないような法律が存在しているように見えます。

直美を批判する前に、このような構造を作り上げた厚生労働省の官僚を どげんかせんといかんのです。

医師へのリスペクト


今、勤務医として高度医療を支えてくださっている医師にはリスペクトしかありません。
今開業してらっしゃる医師の多くも元は勤務医だったはずです。やはり、尊敬の念にたえません。
多くの医師が過去に勤務医としても多大な貢献をしています。
そのうえで、体力的な問題もふくめ色々な理由で開業されています。
一概に開業医だからと批判する人たちが一定数いるのはなんだかなって思います。
医師の平均寿命って著しく(68~73歳)短いんですよ。(日本人の平均寿命男性81歳以上、女性87歳以上)
まさに命削って人助けしているんです。すごい人たちなんです。

医師って職業は、少なくとも医学部に受かる為に5000~6000時間、在学中に6000時間程度勉強してます。
国家試験に受かるまでに平均12000時間ほど勉強してます。
これほどの努力をしてようやくスタートラインに立ちます。
そこからさらに勉強ですよ。生涯に渡って勉強し続けるんです。

自分なんてたかが歯医者ですが、在学中の六年間でした勉強より歯科医師1年目で勉強したことのほうが圧倒的に多かったって言えちゃいます。使い物になる為には、スタートラインに立ってからのほうがやること多いんです。医師なんて言わずもがなです。

リスペクトしかないです。多くの人の健康支えてくれて感謝しております。

世の中への懸念とお願い

昨今、医師が考案した や 東大の特許なぞと権威を商売に結びつける商法がときおり目につきます。

ここで、声を大にして言いたいのは真実かどうかを証明するのに資格や学歴はクソの役にも立ちません。
これまでの人類の発展を支えてきたのは、科学です。
科学の発展は相反する意見や考えを証拠を持ってどちらが正しいという判断の積み重ねにあると思っています。科学的な根拠を示さずに、資格や学歴を前面に押し出してくるのはほとんどの場合情弱ビジネスです。

どうか穿った意見の専門資格を持つ誰かの根拠(査読ありの複数の論文)のない意見や書籍を参考にして標準治療を拒否しないでください。
テレビのCMのような「個人の感想であり効果効能を保証するものではありません。」です。
エビデンス足り得ないものをエビデンスと思わないでください。
そんなものに、命をベットしないでください。

特に命に関わる病気の場合には騙された人は、もうこの世にいないので誰も訴えを起こすことができません。治療をしないと判断したのは自分自身なので訴えようもありません。死人に口無しで生き残った人のみが言われた通りやったら治ったといっているのです。治らなかった人はお亡くなりになっているので治らないなんていう人はいないのです。百歩譲って一定割合で治るとしても、成功率は標準治療よりはるかに低いので標準治療として扱われないと知ってください。

また、検査結果が偽陽性だったりする可能性もあるので治ったと思い込んでる人はなにもしなくて平気だった可能性もあります。科学的な検証がなされていないとそういった可能性すら排除できません。

どうか聞きたい言葉を囁いてくれる医師ではなく、あなたの健康を第一に考えてくれる医師を信用してください。よろしくお願いします。



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