さて世の中には、MTAを名乗っている歯科材料がたんとあります。
ProRootMTAってのが元祖です。(でも変色するから使いたくないんよね。)
MTAを名乗っているものの中には、効果効能が期待できない、悪い言い方をすれば紛い物も混ざっています。では、どうやって見分ければいいのでしょう?考えていきましょう。
ProRootMTAっていうのは「建築用のタイプ1・ポルトランドセメントに、造影剤として酸化ビスマスを20%混ぜただけ」のものです。言い換えれば、どんな名前になっていたとしても主原料がポルトランドセメントであれば良いとも言えます。さらに突き詰めるとその中のカルシウムシリケートが主役だと分かっています。
これらの材料が生体内で作用する機序を考えると、ヒントが見えてきます。
MTAの水和反応メカニズムに関する研究 によれば、カルシウムシリケートセメントが体液(水分)と触れると、持続的に水酸化カルシウムを放出し続ける。これが局所を長期間にわたって強アルカリ(pH10〜12)に保ちます。
この強アルカリの持続こそが、細菌の細胞膜を破壊して殺菌し、同時に生体のアルカリホスファターゼを活性化させ、カルシウムとリン酸を結合させてハイドロキシアパタイトを析出させる原動力です。
逆に言えば、「自称MTA」を名乗っていたりMTAを含有していても、レジン成分やほかの材料によって水和反応が阻害されpHが中性付近に留まってしまうような材料は、この恩恵を全く受けられません。
というわけで、MTAって名前がついていればいいのではなくその作用機序が正しく働くかどうかで材料選びをしましょう。
「カルシウムシリケートベースでpH10以上を維持できる」
ってものは、名前がどうであろうとMTAとしての作用機序が正しく働いている指標として良いと思います。
もっと、根源的な部分に踏み込むと
「pH10以上を維持でき生体のアルカリホスファターゼを活性化させ、ハイドロキシアパタイトを析出させる」ことができれば期待できるってことです。
察しのいい人が読めばこれらの言葉の意味が理解できると思います。
ちなみに、自分は変色の原因である酸化ビスマスが入っているものは好みませぬ。ジルコニアや酸化タンタルなどの変色しない造影剤を好みます。
ここまでは、あくまで自分の考えです。世の中には、いろんな考えがあっていろんな人がいるのでそれぞれの正解があります。あくまで、キビキノ歯科の院長はこんなことを考えているよってお話でした。
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