時に熱く語られる内容です。
最初に言っておきますが無菌は不可能です。
ラバーダムを使用したとしてもできません。
無菌ができるなんてことを前提に治療を組み立てると碌な目に遭いません。
歯内療法における無菌的操作とは
新たな微生物の侵入経路の可能な限りの遮断
既存の細菌数の徹底的な低減と管理
を行うためのものです。
なぜか、無菌でできると思い込む人が一定数いますが現実的に不可能とすぐ分かると思います。
少なくすることはできても落下菌や常在菌は完全に0にはできません。
あくまで、できるだけ感染させない、感染させたとしてもその悪影響は最小限にコントロールするという前提で治療を組み立てるのが間違いないと思います。
どうしても無菌に近い治療がしたいというなら、クリーンルーム クラス100およびハンドピースに用いる水は滅菌水および生理食塩水が最低ラインです。それでも菌は0ではありません。
なので無菌前提の治療計画なんて簡単に破綻します。
無菌的操作の真の目的は、机上の空論である「無菌状態の維持」ではなく、できるだけ感染させない操作は当たり前にそれでも侵入した細菌がバイオフィルムになる前に、機械的・化学的介入を繰り返し行い、細菌の定着サイクルを破綻させ続けることです。
具体的には、NaOCl存在下でのネゴシエーションや拡大、コトあるごとに洗浄消毒。
治療中に細菌が定着する時間をなくし、増殖できない環境を作るのが原則です。
そのために大切なのはNaOClは何%でどれだけの時間をかけなければいけないか、弯曲している場合や側枝がある場合はどのような道具が効果的でどんな工夫が必要かなどこれまでに先人たちが色々な論文出してくれて明確に答えがわかっています。
例えば根管充填前に、道具を滅菌済みのものにしグローブを新品にしないと根管内の細菌数は2桁増えるとされています。NaOClの作用の一つに根管内の有機質溶解がありますが、作用時間や濃度によってどんな反応が起こるかを理解していないと、してるつもりでできていないということが起こります。
歯磨きはしているけれど、磨けていないと同じですね。
正しい認識をもって、正しいやり方で行わないと、必要なことができずに治癒に影響を与えます。
ラバーダム=無菌 感染させていないなんて思考停止に陥る人を見かけますが、本質を理解できていればそんなことはないとわかると思います。
機械的拡大の後になぜ、化学的洗浄消毒が必要なのか?
なぜ、NaOClが必要不可欠なのか?
その濃度や、作用時間は何を担保しなければいけないのか?
理由がわからないと治るべくして治るという環境を作り上げることは難しいと思います。
マニュアル通りにやれば、全てうまくいくわけではないのです。
状況に応じて、何かしら必要なことを追加しなければいけないこともあります。
覚えることも、大事ですが考える力もとても大切です。
最後に、最近化学的洗浄をしなくても大丈夫などと間違った情報が出回っています。
生理食塩水で洗っても治るなどといったことも聞くことがあります。
歯内療法が治癒に向かうのは、生体が許容できる閾値を下回った時に治癒に向かいます。
ただ、洗うだけで感染物質がその量を下回ることもあります。
きちんと根管内を消毒して感染源を徹底的に減らさないと治癒できない場合もあります。
前者の場合あーすればよかった、こーすればよかったっていうこと言えてしまう治療です。
一方で、これでダメなら仕方がないという治療であるべきなら、NaOCl使わないってのはあり得ないのです。
これだけNaOCLが大切と言いながら歯内療法領域でNaOClを使わない方が良い場面が実は存在します。
ま、特殊な場面です。気が向くことがあれば書きます。
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