現代の歯内療法に関する交互洗浄に関しては、諸説ありいちいちコメントは差し控えます。

キビキノ歯科ではNaOCl→EDTA→NaOClの順番で行っています。
この手法に関しての懸念点としては象牙質のエロージョン(侵食)が指摘されています。
これは実験環境で歯質を薬液にどぶ漬けした状態での観察によって指摘されたものです。

実際には、長時間薬液に晒すこともなければ大量の薬液を使うこともなく臨床的な手技では起こり得ない状況です。少し考えれば、アホらしいなとわかるのです。

Morphological Analyses of Effects of Endodontic Irrigant Solutions Using a Root Canal Model and an Immersion Model
の中の人がこのアホらしい指摘を解決してくれています。要約しますが、実際の臨床に則した根管内モデルと今までのようなあり得ないモデル(笑)の比較を行っています。

結果は、臨床的な手技ではエロージョンが観察されなかったとしています。
ですので場合によっては指摘されることがある、歯質が脆弱になる可能性はないと考えています。

さて、ではこの手法をなぜ選ぶかです。
歯内療法において根管内の洗浄消毒は化学的に適切な方法を行わなければ根管内を清潔にできません。
通常物理的に触れることができる場所は70%に満たないとされています。
残りの30%の領域は、化学的な洗浄消毒を行わなければ清潔にできません。

テキトーにやっちゃうと大きな差が出ます。
詳細な手技は控えますが、
NaOClに関しては消毒および有機質の溶解、洗浄を担います。
EDTAに関しては、無機質の溶解、洗浄を担います。
これらを交互に使用することで、根管内の有機的な汚れと無機的な汚れを落とし清潔にすることができます。
さて、それではなぜNaOClを最後に使うのかです。
象牙質にはコラーゲン繊維が存在します。EDTAを最後に使うとこれらコラーゲン繊維が象牙質表面に剥き出しになります。バイオフィルム定着の足場になり易い状態です。また、自分はCSSやCSCを使うのでアパタイトタグが出来やすい環境になることもあり「生体が本来持つ修復力を最大限に引き出す治療」という自分の臨床コンセプトに合致するのです。


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