歯内療法におけるゴールデンスタンダードの一つとして、NaOCl溶液による根管の洗浄および消毒があります。この洗浄消毒薬は、有機質を溶解しバクテリアを殺菌します。言い換えれば、壊死組織(バクテリアの餌になるもの)を溶解しバクテリアそのものにも効くというものです。

それでは、最適な濃度はどれくらいでしょう?

結論から言うと1~6%の濃度で使うのが良さそうです。

実際の臨床では低濃度も使われているのですが、抗菌効果は5.25%であれば30秒ほどで99.99%殺菌できます。1%では2分、加温(45℃程度、高くても60℃を超えない)して反応性を上げても90秒かかるようです。

有機質溶解性においては、5%では60秒 1%では10分の連続灌流が必要です。

より濃いものを使えばよいのでは?と考えた方もいらっしゃるかもしれませんが8%を超えるとデメリットの方が大きくなってしまうので濃すぎてもよくありません。

ラバーダム等の薬液が口腔内に極力漏れないようにしたうえで使用します。

反応性が高い薬剤ですので、時間経過とともに保管中にも濃度が下がってしまいます。
そのため、キビキの歯科医院では6%濃度のもの(濃度低下が起こったとしても5%以上を担保できる)を使用します。

また、使用時間に対しても一つの根管に対して合計60秒(20秒x3、30秒x2等)以上使用することで最大限の効果が見込めます。

要約すると下記の条件を満たすことで薬液単体において最大限効果を発揮することができます。
使用時間60秒以上
濃度5~6%

他にも洗浄において使用する器具で効果も変わるのですが、それはまた別の機会に。

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