1)身体に優しい治療?


ブリッジのように、隣の歯を削ったりしないので身体に優しい治療だと考えている方や、そう説明される歯科医師がいます。決して優しくはありません。インプラントをするには、必ず骨に穴をあけます。歯を削るより、骨に穴をあけるインプラント治療の方が身体にかかる負担はとてつもなく大きく、さらにそこに異物を植えるわけですので身体にとっては大変な負担のかかる治療といえます。

2)インプラントは第二の永久歯?


自分の歯とは全く異なる異物です。異物ですので、一度埋入したら継続的なケアが半永久的に必要です。従来の歯科治療と同じメンテナンスやケアとはレベルが違う、高度なケアが施術者側、患者側両方に必要です。定期的に歯科医院にメンテナンスに通うのは勿論のこと、さらに自身でも必死にケアを行わなくてはなりません。どちらか一つでも欠けてはいけません。日々の生活においても、高度なセルフケアという負担が増大します。親知らずや過剰歯のある方は、移植する方がよほど良い治療です。

3)インプラントはどれだけもつのか?


現在のところ、健康なままインプラントが20〜30年も持つという明確な医学的証拠はありません。せいぜい5〜10年程度だといわれています。しかも、インプラントに対するセルフケア、プロフェッショナルケアをしっかり行っている場合です。自覚症状がないけれども、病気になっているもの。だましだまし使っているもの。勿論、しっかり機能しているものもあるでしょう。ただ、インプラントをする際、寿命が先に来ない限りは必ず除去せざる得ない日が来る事を考慮に入れなければいけません。ですが、自身の歯であれば20〜30年はケアすればしっかり噛めます。むしろ、平気で一生使えます。

4)インプラントで注意しなければならない事


・インプラント周囲炎:読んで字のごとく、インプラント周囲におこる炎症です。現在のところ治療法はありません。やらないよりはマシだという治療法しかありません。ヒドイものになると、広範囲の骨まで感染が広がります。調査では患者の4人に1人から5人中4人にインプラント周囲炎の疑いがあるようです。
25%~80%?!何故これだけ差があるのか。インプラント先進国のスウェーデンには、ブローネマルククリニックというところがあります。スペシャリストが埋入しメンテナンスもスペシャリストが行っているところです。ここでは、恐らく世界最高レベルの治療とケアが受けられます。ここでの数字が4人に1人です。他は推して知るべしです。
寿命が先にくる場合のぞいて、インプラントはダメになる事を前提として行わなければなりません。そして大抵の場合、歳をとってからインプラントを除去せざる得ない状況になります。若い頃は健康でも歳をとると色々な持病を持ってしまう場合があります。例えば、骨粗しょう症、糖尿病、脳梗塞、、、。持病によっては、使いたい薬を使う際にリスクが増大する。感染を起こしやすくなる。セルフケアが出来なくなってダメになる。問題なく使うには継続的なセルフケア、プロフェッショナルケアを続ける覚悟が必要です。

まとめ

自分の歯に勝るものはありません。歯を抜かなきゃいけない状態にならないように、自身の歯を大切にしてください。
抜く前にやれる事は全部やって、それでもダメなら抜きましょう。抜いた後は親知らずなどがあれば移植することも可能です。異物を使うよりはるかに体に優しい治療です。
それでも、インプラントを希望される方は信頼出来る先生を紹介します。

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